GESCHREVEN DOOR

Hitomi Kanehara (JP)
VERTAALD DOOR

Julienne Weijden (NL)

Shailoh Phillips (GB)
column 3
21 November 2009
日本では、書きたい事が決まるまで、書き出さない。書きたい事と、書ける事と、書くべき事、それらを考え抜き、プロットをたて、初めて書き始める。書き始めるまで、私はパソコンと見つめ合ったり、宙を見つめたり、足下を見つめたり、或いは何かノートをとったり、メモをとったりしている。
日本では、エッセイ一本であれ、締め切りの一ヶ月以上は前に依頼してくるのがしきたりであって、短編あれば二、三ヶ月は余裕を見て依頼をしてくるし、連載や書き下ろしであれば数年前から依頼をしてくる事もある。何が言いたいかと言えば、このコラムの連載が、かつてなくハードだという事だ。
三日連続でと言われた時は驚いたが、何とかなるだろうと考えていた。でも実際に始まってみると、こんなの出来ない、と思うような苦しみである。今日のコラムの締め切りは五時だった。しかし今は七時半である。精一杯努力はしているが、これはコラムという仕事であり、執筆という点に於いては自分自身との戦いであり、私が見えなくなると泣き喚く子供との戦いでもある。子供が走り回る部屋では書けないので、子供を寝かしつけてから書こうと思ったら、子供は一時間以上ベッドの上でごろごろし、仕方がないので夫に子供を任せ、ホテルのロビーに降りて執筆を始めたら、二十分ほどでベビーカーに乗った子供が降りてきて、「泣き喚くから」と夫は言う。今正に、少し離れた所から夫に抱っこをされたまま「ママ帰ろう」と呼びかける娘を無視しながら書いている。そもそも、この仕事に子供を連れてきたのが間違いだった。日本でもしゃかりきになって育児と仕事を両立してきたが、旅行中は人の手を借りる事も出来ないため、ここまではっきりとした形で「仕事と育児の両立」を強いられたのは初めてだ。
時差ぼけで夕方の六時に寝、午前三時に起きる子供のサイクルに巻き込まれているため、もう既に吐きそうなほど眠たいが、このコラムを書き上げた後、子供を寝かしつけ、フェスティバルに行く予定だ。部屋に戻った後は荷造りをして、化粧も落とさず眠ってしまうだろう。しかしそうして寝ても、また午前三時には子供に起こされるはずだ。文句ばかり言っているようだが、デン・ハーグは素晴らしい街だと感じている。昨日は寝不足でちらっとしかライブを見れなかったが、それでもフェスティバル自体の空気はゆるりと心地よい。では今から、子供を寝かしつけ、フェスティバルに出かけるとしよう。

























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